
賠償責任保険(ばいしょうせきにんほけん)とは、個人の日常生活、あるいは企業の業務遂行や被保険者が所有・管理する施設が原因となる偶然な事故により、第三者(=Third Party;被保険者以外の者)に対する法律上の賠償責任を負担した場合[1]に、被保険者が被る損害(つまり賠償金の支払や負担する費用)を填補する保険のことである。
概要
損害保険の一種であり、特定の物に対する損害ではなく、被保険者が賠償責任を負担する場合には賠償金の支払の原資となる総財産に対する損害を対象としている点、および、被害者という被保険者と保険会社以外の第三者の存在を前提とする点で、火災保険や傷害保険等の他の保険とは大きく異なる特徴がある。
この保険で対象となる法律上の賠償責任の主なものは、民法上の不法行為責任、債務不履行責任(特に、不完全履行における積極的損害)であり、生産物賠償責任保険においては製造物責任法の製造物責任が追加される。また、この保険では、被保険者の故意は普通保険約款で免責とされていることから、被保険者の過失責任を対象としているということができる。なお、被保険者の犯罪に関しては、犯罪を構成する要件が様々であることから、普通保険約款では免責としていない。
自動車保険や、傷害保険の特約などで、対人事故や対物事故での賠償責任をカバーしているものがあるが、今日一般に賠償責任保険という場合には、自動車保険のように独立した保険商品や他の保険商品に付帯する特約は除かれる(自動車保険等を賠償責任保険の一種とする場合は、「広義の賠償責任保険」という)。
<<広義の賠償責任保険>>
広義の賠償責任保険とは、ここでの賠償責任保険のほか第三者に対する賠償責任を対象とする保険一般を指す。以下にその主なものを挙げる。
* 自動車保険(任意保険)
* 自動車損害賠償責任保険(自賠責)
* 運送保険(運送人の荷主に対する責任担保)
* 航空保険(乗客賠償・第三者賠償・貨物賠償)
* 船舶保険(衝突約款)
* 原子力責任保険
* 船客傷害賠償責任保険
* 労災総合保険(使用者賠償)
* 機械保険の賠償責任特約
* 組立保険の賠償責任特約
* 建設工事保険の賠償責任特約
* ボイラ・ターボセット保険の賠償責任特約
賠償責任保険の種類
賠償責任保険の種類には、大別すると次のものがある。
1. 個人向け賠償責任保険 (個人賠償責任保険、ゴルファー保険、テニス保険など)
2. 一般企業向け賠償責任保険(施設所有管理者賠償責任保険、請負業者賠償責任保険、生産物賠償責任保険、受託者賠償責任保険など)
3. 特定業務向け賠償責任保険 (自動車管理者賠償責任保険、旅館、LPガス販売、旅行業者、情報サービスなど)
4. 専門職業人賠償責任保険(医師賠償責任保険、公認会計士賠償責任保険、建築家賠償責任保険、弁護士賠償責任保険、司法書士賠償責任保険など)
5. 瑕疵保証責任保険
保険会社は、被保険者が行う事業の種類、対象とする損害などに応じて、多くの保険商品を用意・提供している。 保険会社が販売する主力商品には、個人向けの総合補償商品である個人賠償責任保険と、企業向けの施設所有管理者賠償責任保険、請負業者賠償責任保険、生産物賠償責任保険およびそれらを包含し、まとめて一つの契約でカバーする、企業総合賠償責任保険(Comprehensive/Commercial General Liability;CGL)がある。
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